私は独身生活が長かったせいか、料理が得意になりました。医学生のころは居酒屋に行くお金がなかったので、お酒を飲むときは友人を家に呼んで材料費をワリカンして飲んでました。もちろん私がシェフです。今でも週末は友人を呼んで私が料理して振舞っております。女性の料理のように凝ったきれいなものは作れませんが、とんかつ、から揚げ、酢豚に八宝菜にチャーハン、カレーにハンバーグ、角煮に手羽先(名古屋風)、鍋などなど、酒屋でおいしいと思ったものを、いろいろな調味料を化学実験のように混ぜ合わせて作っております。包丁も調理前には必ず砥石で研いで、切れ味を楽しみつつ作るのです。またこれがストレス解消にもなるのです。
関西に来てはじめて作ったのは、なんと梅干しでした。 和歌山の白浜温泉に行った帰りに、なんとなく紀州梅干し館に立ちよりました。そこで見たのは江戸時代に作られたという、塩をたくさん吹いた乾いた梅干しでした。これを見て、日本文化の保存食の素晴らしさに感動してしまいました。こうなったら猪年である私の行動は猪突猛進です。梅干しの漬け方の本を熟読し、塩分が14%あれば腐らないという科学的裏付けを知りました。本当はハチミツ漬(塩分8%)を作りたかったのですが、素人は塩分の少ない梅干しを作るとカビを発生させ全滅させるため14%で作ること、と書いてあったので、私は化学の実験のようにコツコツと作りはじめました。梅干し作りは感動がたくさんあります。南高梅の香りは桃と同じ強い甘い香りで、部屋中にいい香りがたちこめます。1kgに対し140g(14%)の塩をちりばめ、重しをすると、一晩で少しピンクがかった透き通った液が梅から溢れでてきます(梅酢といいます)。 何日間かは待ち遠しいのですが、カビをチェックしながらじっと待つことも大切です。赤梅干しを作るときはシソの葉を塩もみして投入するのですすが、投入直後より渋そうな紫の葉っぱから美しい真っ赤な色が染み出してきます(WOW!)。この色が梅にしみこんだころに天日干しをして梅干しが完成するのです。これを10kgずつ3年間やったものですから、今、家には人生分の梅干しがあります。 少しずつ友人にあげて随分減ったのですが、まだまだ場所をとって困ってます。ついでに梅酒まで大量に作りすぎ、まだまだ減りません。誰かもらってくださいませんか?私は作りたかっただけなんです(笑)
